とある記事より漢方的は痛みの分類法が記載されていて、非常に共感でき今回ご紹介したく一部抜粋し載せます。
日経メディカルOnlineの上で開催したヴエビナー「痛みを漢方で診る」から。
◎漢方薬処方時は「温めたらどうなるか」を確認せよ。
平田ペインクリニックの平田医師のお話で、痛みに対する漢方の基本的な考え方。
「痛みには2種類ある。冷えて痛むものと、熱を帯びて痛むもの。この痛みの寒・熱を見誤ると治るものも治らない」・・・疼痛患者を長年診療してきた平田先生の最も基本とする考えだそうです。
平田先生が勤務医時代に担当し、回復に苦慮した症例紹。
帯状疱疹で発症2週間後に来院した70代男性、右上肢の帯状疱疹。赤く腫れあがり、痛くて力も入らない。
入院にて鎮痛薬・頸部硬膜外ブロックなどを試したがどれも奏効せず、男性は次第に衰弱していくようだった。
ある日、訪室すると、夏にも関わらず男性は毛布をかぶって寝ている。痛みのある腕は温かいタオルが巻かれていた。「温めると痛みが楽になると言う」 万策つきた先生が「入浴するなどして、患部を温めると楽になる痛みには麻黄附子細辛湯(冷えを改善する方剤)が効く」という論文をふと思い出し、それだけを頼りに麻黄附子細辛湯(冷えを改善する方剤)を処方したところ、男性は起き上がって歩き出し、その後1~2週間で退院した。
この症例について、平田先生は「華著な高齢者に、ブロック療法、非ステロイド抗炎症薬、様々な鎮痛補助薬を多量に使用した事で、患者を冷えの極致に追いやってしまっていた」と振り返った。
先生によると、慢性疼痛では、寒証が圧倒的に多く、中には西洋医学的な施術が原因で冷えている場合もある。その為「温めたらどうなりますか?」と初診時に確認する事が、治療方針を決定する上で非常に重要だと強調する。
この様に「体を温めて痛みを治すというは漢方独自の考え方だろう」と。西洋医学で治せなかった痛みも、寒熱を見極めて漢方を処方することで改善する可能性があるそうです。
余談ですが…鍼灸師的にみても、問診や触診、脈診などで、証を立てるのですが、まず最初に「寒・熱」を判定します。
私が鍼灸の学生時代に講師の先生に教わった事ですが、鍼灸施術は寒証の施術法と熱証の施術法がございますが、圧倒的に、寒証の施術法が多く、熱証の施術法は少ないと、事実、慢性の痛みを訴えられるお客さまは寒証が多いと感じています。
捻挫や肉離れなどのケガは、腫脹や熱感があればアイシングなど冷やすことは絶対的に必要ですが、寝違えや腰痛など、急に痛くなった場合でも冷やす事よりも温める事により痛みが軽減する場合は寒証が絡んでいる事も多く経験しています。
当グループ院は鍼灸師が多数在籍していますので、お気軽にご相談下さい。
当グループ院スタッフ一同、心よりお待ちしております。